カジュアル

昨日の午後は下関市立美術館へ参上して、「やまぐち生まれの4人展」のパンフレットをお渡してご案内する。賽は投げられた。今できることを粛々とやって準備するのみ。とは言え、こういう時の最善の方策とは、もっとも単純な方策である。少しでも多くの方々と出会って周知させていく。当たり前のことを積極的に取り組んでいけばいい。

その後同館で、下関市出身で江戸時代に俳諧修行の旅で全国各地の人々と交流して腕を磨いた女流文人「田上菊舎」の企画展を鑑賞。まったく予備知識はなく、初めて目の当たりにする。だけど、挿絵と文字が絶妙な配置に構成されて、パッと観ただけで伝わってくる作風だった。常に実践で制作するうちに万人受けのセンスが磨かれたのだろう。

とにかく作品制作の完成度の高さより、ざっくばらんで親しみさが売りだ。なるほど、狩野派のような権力者の御用絵師の作品と違って、婦人雑誌にありそうカジュアルな作柄は、肩肘を張らなくて楽しむことができる。もしかしてこれは江戸時代のインスタなのかも。その瞬間に映えるものが表現されている。なんて知らぬが仏。勝手なことばかり想像して帰路につく。