オールナイト

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高1の期末試験が終わった日。部活の先生が「正月はサッカー部を応援へ行くぞ」
と、いきなり言い出した。この方はイエスかハイしかない恐怖指導者。だから従う
しかないけれど、タダで全国大会の応援へ行けるのだからラッキーと喜んだ。
だけど世の中にそんなにうまい話はない。元旦の昼過ぎ、防府天満宮の境内に
集まった面々は、これから始まる想像以上に過酷なバスの旅に気が付いて
なかった。なんてたって高速道路は山陽道はなくて、中国道広島県三好ICまで
行かないとならない時代。要するに目的地である大宮公園サッカー場行くには
休憩時間を含めて約20時間の長い旅なのだ。それでも若さとは偉大なものだ。
いや、素晴らしいと言うべきだろう。道中、応援部の先輩たちを中心にラジカセから
流れてくる矢沢永吉横浜銀蠅、クルーズなどなど、車内は一晩中ロックロールが
響き渡り、眠ることは許されなかった。そして、永ちゃんの真似をする先輩が通路に
現れると、コンサートのように盛り上がらないとならない。ホンマ、ちょっとでもノリが
悪いと意味のわからないやり直しがある。午前8時、大宮に着いた頃には、いつの
間にか寝ていた。ほとんどみんな寝ていた。だけどあんなにやかましい車内で
酔っ払って熟睡していた図太い先生たちはバッチリと目を覚ましていた。そして、
大きな声で一斉に起こしていったが、それでも起きない奴はどつかれていった。
そんなこんなで命がけ?で行った全国大会。懐かしい思い出は褪せることはない。
ちなみにこのたびの母校サッカー部の試合会場はNACK5スタジアム大宮。
アルディージャ大宮が本拠地にするこのスタジアムの昔の名前は「大宮公園
サッカー場」。組み合わせが決まった時にあの夜のことを一気に思い出した。