鳩と青年

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昨日、近くの県立美術館のそばを自転車で走っていたら、鳩にパンの耳をあげている少年と遭遇した。こんな暑い中でも元気にやっているなあ~。そして、鳩たちも同じで我先に食べようと鬼気迫る状況。しばし立ち止まってその光景を眺めていると、一匹のスズメが嬉しそうに一切れくわえたところ、数匹の鳩が襲い掛かって奪い返した。なんとも自然界は厳しい。改めて弱肉強食を思い知らされる。

その後、ギャラリーに帰る途中、少年ではなく「鳩と青年」というタイトルの香月泰男画伯の作品が頭に浮かんできた。「この作品で私が意図したものは戦争への憎悪による平和への願望を強く訴えることです。戦争による膨大な犠牲の代償として平和への願望があったはずなのに、日本人は、今それを忘却しようとしている」。全文は覚えていなかったので帰ってから画集で確かめてみた。1954年に制作された「鳩と青年」。約60年経って、戦後70年になる今読んでも迫力のあるメッセージが込められている。

私は戦争を知らない子供であって、さらに孫の世代も大人で、ひ孫も誕生している時代になった。このまま代々ずっと平和であって欲しいと願っている。この夏はそのことを深く考える時だろう。今、県立美術館では「コレクション展」で香月先生の作品を観ることができる。平和の尊さを香月先生の作品を通じて感じるために近いうちに行ってきます。