原点

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美術家・山根秀信さんが原画を描いた「シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫」。この本の物語は実際にあったお話。19世紀後半、フランスの小さな村で、毎日、郵便配達していたシュヴァルは、理想の建築などを空想しながら歩きながら仕事をしていました。しばらくして万国博覧会が始まり、知らない国の情報が身近になって、今まで見たことのないものを知って、好奇心は膨らんでいきます。そんなある日、つまずいた石が怪獣のような形をしていることに感動。それから変わった形の石を集め、ずっと頭の中で描いていた理想の宮殿を創り始めます。それから人に何て言われようともぶれないまま、33年の年月をかけてついに完成させました。小学校しか出ていない男が造形的にも美しい夢の宮殿を建てたのです。その後、月日は流れて文化財に指定されて、今では立派な観光地になりました。美術を学んでいない男が創作した世界は、オンリーワンの独自性に溢れて、多くの人々が共感できる創造に達しました。創作の第1条件は好きであること。そのことがよくわかって、勇気をもたらす素晴らしい著書だと思います。どうぞ創作される方はご覧いただき、エネルギーをチャージしてください。

■「風景 山根秀信 個展」 2016年3月26日(土)- 4月3日(日) 11:00-19:00 定休 3月30日(水)