ちょうど3年前、ギャラリーでは臼杵万理実さんの初めての個展を開催する。実はこの年の5月に行った若い乙女たちのグループ展「KMY48展」で、臼杵さんがハガキ売上げコンテストで第1位になったことの副賞として企画。瓢箪から駒が出たのだ。あまりにも絶妙なタイミングに、すべてが順調に動いているように思った。しかし、この会期中に思いもよらぬ訃報に接する。細密描写の鉛筆画家で知られる吉村芳生さんが天国に旅立ったのだ。私の心は大きく乱れてしまった。本来ならすぐにでも駆けつけるべき大事。かと言って、この場を離れる訳にもいかない。どうしたら良いのか考えに考え抜いて、葬儀の朝に弔問することにして、個展にベストを尽くすことにした。なぜなら晩年の吉村さんは山口の若い美術家の台頭を願って、自ら積極的に若者に関わっていた。ボランティアでのミニ講演会やアドバイスなど本気で応援していた。だからその時の答えは明白。臼杵さんと共に頑張るしかないのだ。そして、その代わりに私が生きている限り、吉村さんのことを忘れずに知らない世代にアナウンスすることだと腹をくくった。その恩返しの第一弾、この秋にギャラリーで吉村さんの作品を展示する。まだまだこれでは足らないけれど、これからもいろんな機会を作っていくつもりだ。どうか天からこれからも我々を応援してください。みんなで頑張ります！ 合掌
