多様性

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昨年末、ひさしぶりに新聞記者の友人と会ってみると、長年に渡る過酷な労働のために体調を崩していた。幸いにも回復に向かっている。しかし、あれほど頑丈な男がこうなるのだから厳しい業界だ。今は部署が内勤に変わり、これまでの経験を講演して歩き回る日々。その中で若い世代と接する中で、ある特長に気が付いてきた。それは彼曰く「不寛容」。物事を判断する価値観の幅が狭くて、相反するものには辛辣な意見で対抗する。単一の価値観しか持っていないというのだ。これを簡単に言ったら好きか嫌いしかない。白と黒だけの世界に生きているのだ。この話を聴いて想像力のなさを指摘した。受験勉強などを中心にした答えのある世界の中で溺れている。白と黒の間にいろいろ価値観があって、ハッキリとしない矛盾した世界を知らない人たちに思えた。答えがあると信じるから感性は硬くなる。だから美術館にでも連れ出して、よくわからないものに触れて、感性を多様化させて柔らかくさせることを助言した。果たしてこの答えが良いかどうかはわからない。ただ、豊かなイマジネーションは物事を包み込む。ギスギスした社会を優しくして生きやすくなるだろう。