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数年前、今は天国にいる義兄が通った病院の待合室の本棚に、思想家・中村天風について書かれた著書があった。最初はそれほど興味はなかったが、点滴などの治療中、長い待ち時間をつぶすために手に取って読んでみた。するとすぐにハマってしまった!なんて単純な私だ。それはさておき、「どうにも仕様のない運命を天命といい、人間の力で打ち開くことの出来るものを宿命というのである」という言葉に出会って感動する。天命とはこの親やこの場所など、人知の及ばない領域。どうしようも変えられない事実。それ以外のことはほとんどが宿命。人の努力次第で打ち開けていけるもの。おおー、これは美術家のためにあるのだと感激した。主に伝統工芸のように技術継承できる世界以外、2世、3世と続いて活躍した美術家はないに等しい。まったくゼロではないけど、全体からすれば奇跡以上の奇跡の数だ。また、「失敗も自分の糧と感じる」。こんな言葉にもしびれていった。人生は心の置き所によって大きく変わってくる。素晴らしい指針と出会った。もしかしたら義兄の見えざる手だったのかもしれない。先日の3回忌。ふと思い出して懐かしかった。やっぱりありがとうなのさ!合掌

■HEART2017関連企画 県美展界隈 vol.2 美術五傑展 臼杵万理実、白藤さえ子、末永史尚、平井槙、山口功 2017年9月29日(金)~10月8日(日)11:00-19:00