人生には思いもよらない出会いがある。その昔、公募型グループ展の企画書を持参した若者がいた。それは全く稚拙な内容で要領を得ていない。それでも彼女から伝わってくる情熱に懸けることにした。見切り発車なんてアートの世界では常識だ。少し手直しをしたら何とかなるはず。準備万全に整えても上手くいかないことはよくあること。だったらこれまでにないことに挑戦して、思いっきり路線からはみ出してみよう！そんな腹をくくった覚悟が幸運を招く。想像以上の嬉しい誤算。実は作品展自体も成果はあったが、それ以上に若い仲間が一気に増える。そして、あの時から4年以上も経って、知り合った若者の個展を次々に開催。結果から見れば有望な人材のスカウトに成功する。昨日、このグループ展に参加した、やまさきさんと当時のことを語り合った。思い出すとドラマよりもドラマだよねと談笑。人生は万事塞翁が馬。どういう成り行きになるのかは本当にわからないもの。チャンスにひらめく感性が勝負になるとあらためてそう思った。
