昨日、平井さんが初めて作品を購入していただいたお客様が来店。パッと風貌を見ただけで只ものではなさそうな雰囲気。しばし二人の会話を黙って耳を傾けると、当時の平井さんの心境をよく理解して、その作品を買おうと決めたことがわかった。作品の表面には表れてない内部の葛藤や不安を読み切っている。素晴らしい！いったいどんな人なんだろうと思い尋ねてみたら、意外にも堅気に生きる40代のサラリーマンだった。ただし、中学生の頃から音楽の才能を活かして風変わりな大人たちと交わり、なんとも濃くて大きくはみ出した10代を過ごしていた。おそらく若い時からいろいろと苦労したはず。多感な時に辛い思いをしたからこそ、彼女の孤軍奮闘ぶりが伝わったのだ。
それはさておき、ひさしぶりに引き出しの多い人と出会った。まるで数年ぶりに出会った友人との会話のように弾んだ。思わず「道楽」という言葉が脳裏をよぎる。道楽とは仏道の修行によって得た悟りの楽しみを表す。その修行に励む禅僧の生き方は、悟りのためにすべてを投げ打っているため、世捨て人としての意味が広まった。普通の人が味わえる幸せに背を向けて、ありたい姿を求め続けて生きていく。そんなストイックさを感じる方と楽しい時間を過ごせた。ありがとうございます！私の目では見えないものに気が付きました。この教訓を糧にしていきたいと思います！
■平井 槙 SOLO EXHIBITION 「日々の垢」 2018年7月19日（木）～24日（火） 11:00-19:00（最終日は17:00まで）
