アイドルという言葉がある。その意味は「偶像」や「崇拝される人やもの」なのだが、一般的には「アイドル歌手」として、憧れの的や熱狂的なファンを持つ人、この他、実力はないが人気が高い若者に対して使われる。本来、素晴らしいという意味で使われるはずの言葉が、いつの間にか発展途上でモノ足らない人に、若さを武器に一定期間許される執行猶予と同じ意味で用いられるようになってしまった。
今の時代、「アイドル」を目指すような、美術家志望の若者が増えてきたように思える。表現力や技術力が足らなくても、自分はアイドルだから問題ないような、ゆるい世界に逃げ込む姿勢を目にすることがある。創作するものはあらゆる批評を真摯に受け止めるべきだ。未熟ですからと言い訳するようでは、美術家と名乗るには身の程知らずだと言われても仕方ない。美術家に求められるのは、人気と実力の他に説明し難いカリスマ性があること。科学的にも論理的にも検証し難い、なんとも言えないオーラを持った人のことだ。そういう人を美術家だと言うのだろう。美術に関係のないコピーは要らない。鑑賞者はもっと作品に注目をして、本当の意味での「アイドル」、神がかって視覚では捉えきれない、存在感を楽しむことが大切だ！
■やまぐち赤絵 ハレのうつわ 広川隆作陶展 2018年12月14日（金）～2019年1月14日（月・祝）【同時開催】麗しきかな 美しきかな 目出度きかな 吉祥展 紀田秀夫 佐伯千尋 原田千恵子 舛井美佐江 村上真実 大和佳太
