My best balance

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今の日本のインフラは世界でも屈指の高いレベルである。道路や上下水道をはじめ、通信システムに学校や病院の施設など、快適な生活するために必要なものは整備されている。なんてありがたい社会になったのだ。私の子供の頃と比べたら、すべての面で進歩していった。しかしながら、それが当たり前のことだと考える風潮になりつつある。蛇口をひねれば水が出ることに感動するのは皆無に等しい。その他のことについても素直に喜んだり驚いたりする人は貴重だ。知らず知らずの内にバリアフリーの道を歩いて、贅沢だと言われる豊満生活に染まっている。
そんな現代社会に生きる人をモチーフにしたような「My best balance」。臼杵万理実さんの作品だ。青ざめた顔でうつろな目をして人が、いくつも積み重ねた物の上に足を置こうとしている。そこに足を置いてしまったら、すぐに崩れることだろう。だったらなぜこんな馬鹿なことをするのか?快適な生活の中では微塵のような不安でも、大きな不安だと感じやすくなっている。不安への免疫力が低下して、ほんの些細なことで七転八倒するのかも。つまりバイタリティーさが弱くなっているのだ。だから鍛えてやろう!今思い付く最善のアイディアでの挑戦。遠目から見たら馬鹿馬鹿しいけど、本人にしたら必死で大真面目なこと。この絵を観ている内に、ググッと引き寄せられて、このような物語を空想してしまった。おそらく臼杵さんの意図からすれば大外れ。まあ、それでもいいのだ!いろんな視点から作品は見つめるもの。彼女の世界観に酔いしれて楽しい時間になりました。
臼杵万理実 作品展 じゆうちょう 2019年3月8日(金)~17日(日) 11:00-19:00 定休日 3月13日(水)