美術を学ぶとは

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美術の世界は学校へ行って学ばなくても、自力で頑張ったらなんとかならなくはない。だのに学校で美術を学びたい人があとを絶たないのはなぜだろうか?それはこれまでの美術の常識を打ち破るために、これまでの美術の常識を知る必要があるからだ。今現在、誰もが斬新だと認める作品も、すべてを新しく創造しているわけではない。様々な美術史を学び、最新の美術動向に触れることで、独自性の高い表現を想像していったのだ。一般的には新しいもの生み出す時に、他人の作品をお手本にするのは、オリジナリティに欠けると思われる人もいるかもしれない。しかし、過去の素晴らしい美術作品にひらめきや刺激を受けて、そこから自分だったら何ができるのかを考えて、イメージを膨らませていくのが王道なのだ。
つまり多くの美術情報の中から必要なパーツをすくい上げて再利用する。いわば今日のようなビックデータ時代は、興味のある分野のチェックを徹底的に行ったうえで、先人たちの美術にアレンジを加えて、新しい価値観を創り出していくのが基本なのかもしれない。地図を持たず旅に出ると目的に辿り着く確率は低くなる。だからこそ先人の美術を道標にしていけば、少なくてもスタートラインに立つことができるだろう。そして、その道標が途切れた時、あるいは間違っていたことがわかった時からオリジナリティのゾーンに入っていく。この先は誰もが通ったことない、あなただけにしかない道なのだ。このようなことを効率よく学ぶことが美術学校だと思う。皆が進まない道を歩むには、皆が通っていない道を知ることが大切なのだ。
■山口功 個展 隠れミノの自由時間 2019年5月9日(木)~12日(日) 11:00-19:00