雑草魂

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先日、「どんなタイプの人が美術家になれる可能性が高いと思われますか?」 と尋ねられたことがある。おおー、なんて回答の難しいことを、簡単に質問するのではありませんか。もし、私の経験値だけで言うとしたら、以下の2つが備わっている人だと思う。まず1つ目は自発的に動いていける人。何かをひらめいたのなら、その勢いのまま果敢に行動して、内なるエネルギーを出すことができる。とにかくやる気が伝わってくるため、これまでにない何かをやりそうなオーラが漲る。一般の人が美術家に期待するのは、新しい空気を取り込むために、心を活性化させる表現との出会い。それは意外と身近なもので平凡が非凡に感じるくらい一生懸命にやり続けること。自分がやっていることを表に出し、挑戦していける自然体で柔軟な魂の持ち主だ。
次に挙げるとしたら上手くいかなかった現実を真摯に受けとめられる人。公募展で落選しても、希望する美大を落ちても、自分が否定されている訳ではない。理不尽だと思えることを受け入れて、何が足らなかったのかを考えて、改善していこうとする前向きな精神力の持ち主。人生は何度でもやり直すことができる。だのに自分は正しいと変な意地を張って、その結果、責任転嫁をして学びの機会を逃してしまう。上手くいかない時は何が未熟なのかを追求しよう。そこには必ず大きな理由があるもの。付け焼刃で自分を繕ってみせようとせず、どんな時も自分を信じて生きていくために、失敗は成功の母とする姿勢が大切なのだ。つまり安定してエネルギーを保つためには、雑草のような強い根っこを育てていくこと。この2つのことを意識して創作できる人はより多くのチャンスに恵まれて、美術家になれる可能性が高くあると思っている。
■山口功 個展 隠れミノの自由時間 2019年5月9日(木)~12日(日) 11:00-19:00