緊張感

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「緊張する」とは心臓がドキドキと高鳴って、あっという間に血液が全身に行きわたって、これからやるべきことにいつでも反応できる状態のことをいう。目的へ向かって気持ちはピリッと引きしまって、精神はそこへ集中して心身ともに臨戦態勢に入っていることだ。そして、緊張しなければ発揮することのできない潜在能力。どんな人も持っているこのエネルギーは、ダラダラしていたのではどうにもならない。心を戒めることで触角は敏感になって、新しい可能性を発見していけるのだろう。
ただし、この意識が過剰になるとプレッシャーに変わり、いつもスラスラとしゃべれるはずのに、身体が金縛りにあったように動けなくなる。ここ一番に普段の実力が出せないまま、自分が自分で歯がゆいスパイラルに陥っていく。それは困難を突破するための緊張感がマイナスに働き、自分を守るための防衛本能として勝手に作用して、知らず知らずに殻に閉じこもって、チャンスをピンチにしてしまうからだ。
ところで良い美術作品を制作するためには、ほどよい緊張感が必要になってくる。素晴らしい評価を得ようと緊張するのは、美術家としてごく当たり前の根性だと思う。この作品では駄目だと言われそうとビクビクしながら制作するのと、これが今の私にできる限界だと開き直って、思いっきり制作した作品では、鑑賞する人へのインパクトの強さが違ってくる。誰もが最初から強靭な精神力を持ち合わせているのではない。みんな自分の弱さと戦いながら生きているのだ。つまりベストを尽くして駄目だったら、それはこれからのる伸びしろであって、自分に才能がないと考えてはいけない。美術はどこまでも成長できる世界。緊張感をリバンドさせて成長させていこう!