トリセツ

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某シンガーのヒット曲によって広まった「トリセツ」という言葉。その意味は言わずと知れた「取り扱い説明書」のことだ。私はその昔からプロの美術家を目指すビギナーの方に、このくらいの努力と覚悟が必要になりますよと、具体的な事例を挙げながら説明している。もちろん、相手によって内容は大きく異なって、これがもし若者ならほとんど細かいことは言う必要はない。いけいけどんどんと調子に乗って突き進んだらいい。何もかもがすべて経験になって、未来への試金石になっていくはず。少々のことは流して自主性を尊重することが大切だ。
これが年齢を重ねるごとにそうはいかなくなる。相手の方の理解度を確認しながら慎重に語らないといけなくなる。例え学歴社会で落ちこぼれても、社会に出てから挫折することがあっても、それらをリバンドさせて美術は創作に活かしていける。しかし、それは不本意な人生を真摯に受け止めながらも、自己実現の意欲を失わない人であって、かつ、自分の個性を活かして充実した人生を望む人のことだ。現実逃避をして美術へ入り込んだ人だったら難しいものになる。「このままで終わってなるものか。今に見ていろ!」というハングリー気持ちがなければ上手くいかない。自分が自分で自分を信じる力が弱かったら何を言ってもけんもほろろになってしまう。だから気を付けて話すしかないと考えている。
それはさておき今日から個展が始めるコサカ君は、謙虚さがあってこれからの成長が期待できるホープだ。まだまだ未熟で越えるべき課題を挙げれば切りがない。しかし、これはこれからの伸びしろがある証拠で、いくらでも改善するための時間があるから心配ない。つまり自分に可能性があることを信じ、目先の小さな結果を気にせず、ひたむきに努力していくことだ。彼はなんとなくこの原理に気が付いている。物心ついてから絵を描いていると言う言葉は本当なのだろう。どこまでも美術を学ぶ気持ちがあるから頼もしい。とにかくこの勢いのまま夢を実現するように精進していきましょう!

■コサカダイキ個展 ポジとネガ 2019年6月21日(金)~30日(日) 11:00-19:00 定休日 6月25日(火)、26日(水)