違和感

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イラストレーターコサクダイキ君。幼い頃から絵を描くことは三度の飯より好きだった。小学生の時はクラスメイトと毎日イラスト合戦に夢中。どっちが勝つかを本気で競い合って、ついには相手が描く絵柄を予想し、それよりも見栄えの良いイラストにこだわった。
続く中学時代、主たる部活はサッカーだったが、合間に絵を描くことが楽しかった。ある年の夏休み、ポスター制作の宿題が出される。そこで浮かんだイメージを水彩絵の具を使い、さらさらと音を奏でるように描いて提出。すると教師より出来栄えの良さを褒められ、さらに画材を変えたらクオリティーが上がるよと助言をいただいた。なるほど、一段上の明るさになるのだ。ただし、それでは本当に自分の作品だと言えるのかな?ふと生まれた疑問。何度も自問自答を繰り返したが、スッキリした結論が出なないまま。だからもう一度描くことはしなかった。
私はこのエピソードを聴いた時、今も変わらない彼の無垢さを感じた。少しでも作品をよく見せたいと思うのは当たり前のこと。しかし、どんな素晴らしい金言であっても、腑に落ちないことはやりない方がいい。一度甘い味を覚えたら癖になって妥協しやすくなる。急ぐことはなく、慌てふためくのでもない。機が熟す時まで待てばいい。自分にあるものを信じていこう。つまり自分らしい価値観を育てるには違和感が必要なのだ。そう、太古の昔からあるセキュリティ。これからも違和感が生まれるように、自分の目と耳、肌で感じた感覚を大切にしよう!