遠い道

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先週、ある方から美術家を目指すための最短コースについて質問される。どうやったら早くなれるのでしょうか?私はこのような問いがあった場合、「それは永遠の謎ですよ」と答えることが多い。なぜなら確実になれる手段かわかっているのなら、誰でもその通りに実行すれば美術家になれるはず。虎の巻を片手に手間暇かけず、面倒くさいことはスキップしていけばいい。しかし、それでは先人のやり方をただ真似して受け継いだだけ。誰でもが通ることのできる道を我がもの顔で歩くに過ぎない。むしろ自分らしい個性を型の中に押し込み、可能性がある芽を切り落としてしまう。どこかで観たことがあるような世界に自分自身を閉じ込めるだろう。
つまり美術家になるためには、無駄と遠回りほど価値のあるものはない。無駄な努力になることを承知で挑むべきだ。そして、これまでの常識を跳ね返して、周囲をアッと言わせてやろうと思う、強い反骨芯が必要なのだ。だから無駄なことを百も承知して努力していくこと。今すぐに目の前のことに繋がらなくても辛抱強く工夫すること。どの個性で勝負すべきを知って魅力を磨いていけばいい。ゆっくりと美術を面白がりながら進んでいこう。自分らしいペースで独自の価値観を発見していきましょう!