袖振り合うは多生の縁

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日曜の午後、パッと見ただけで美術家だとわかる風貌の方が来場してきた。そこで声をかけてみたところ、たまたまここを通りかかった時に、聞き覚えのある名前だったので、その直感を信じて入店したと言われる。そして、「たしかここでSさんの作品展をしましたよね?」。おおー、大ビンゴ!なんと見逃しそうな看板に気付いて、すぐにひらめいた答えが合っている。やはり芸術家の基本になる観察力と想像力に優れ、小さな破片を面白がって繋げられる好奇心の持ち主だ。柔軟な感性が素晴らしい。
ちなみに彼は東京から日帰りで県立美術館の香月泰男展鑑賞のために来山。その後、雪舟の庭や瑠璃光寺などを観光してから湯田温泉に浸って帰るプランだった。しかし、偶然ここに立ち寄ったことで山口情報センターと中原中也記念館もツアーに加わった。こうしてみると山口市は見どころ満載。文化の街として成り立つほどのボリュームがある。
それにしても初めて出会ったばかりの人でも、美術のことで話し合えたら楽しい時間が育まれる。この日、ほんの短い時間しか滞在しなかったけど、出展していた若者たちと美術談義に花を咲かせる。もちろん、簡素なコミュニケーションになったが、それでもちょっとした緊張感が生まれて、彼女たちにとって良い刺激になっていった。そうなのだ、人生は一期一会。いつどんな時にどういう人と出会えるのかはわからない。だからこそいつも何かに興味を持って、豊かな話題ができるようにしていくことが大切だ。自分らしい個性のあるものはビビッと伝わっていく。美術を通じて多様性を鍛えて豊かに人生にしていこう!