人間性

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美術家を志す人なら誰もが「成功したい!」と考えているはず。そのためにテクニックや知識を身に付けようとしたり、流行っている表現をお手本にして新しいことに取り組んでいく。だが、こんな表面的なことを磨いたところで、その人らしいセンスは習熟していくことはない。いわゆる樹木を育てようとした時、それなりに枝葉の形をきれいに整えれば、一時的に見映えはよくなってくるものの、時が経って来ればと元の木阿弥になる。このようなやり方では美観を維持するには、いつまでも手を加え続けていかなければならないし、自然の風雨から守るために神経を尖らせて休む暇もない。
つまりこの場合の根や幹とは人で例えるのなら人間性のこと。人はいくら立派なスタイルで立ち振る舞ったとしても、すぐに化けの皮が剥げてお里が知れてしまう。正義、勇気、寛容、生命力などの真に価値のあるものを意識して、それらを高めるための行動を習慣として身に付けること。すべての基本は心が創り出すから、いつも心を整えられる精神力が大切になる。
人はついつい過去の経験や知識に支配されて、自分が正しくて相手が間違っていると現実逃避していると、結果、ますますどつぼに深くはまっていく。新しい創造を目指するために才能を尊重し合い、それぞれの個性の違いを認め合い、お互いの立ち位置をハッキリとさせていく。みんなで文化を分かち合うために、自分らしい表現力で繋がることを目指す。小さなこだわりを捨てて自由に創作していくこと。美術家になるためには年月が必要。だから大器晩成だと腹をくくって、創造の世界へ挑戦していきましょう!