ひらめき

昨日の午前中は県立美術館でのオープニングに参加。ヨーロッパの名画を楽しむことができる展覧会。誰もが教科書などで一度は目にしたことがある作家たちの作品が飾られている。そのせいかロビーいつもよりもリラックスムード。マイペースでじっくりと楽しもうという空気が漂っていた。そして、テープカットした後、展示会場へ足を踏み入れる。するとそこには様々な工夫が凝らしてあった。予備知識がない人でも解説文を読んだら、おおよその必要な情報を得ることができる。隅から隅まで至り尽くせりのしつらえ。私が若い頃にはなかった展示構成に、美術館の門戸は広くなって成熟したと感じた。

そうこうしている内に約1時間をかけてひととおり鑑賞する。幅広い年代の作品展示だけに立ち止まることが多かった。まったく時間が足らない。改めて来ようと思いながら帰路についたところ、なぜだか美術館の前で鳩たちに囲まれた。よくパンの耳をあげる人を見るけど、その人と勘違いして来たのかな?とにかくあげるものがないよ。ごめんねと手を振ったとたん、美術館で観た1枚の絵を思い出す。

それはつまりフランス革命の歴史的な場面を臨場感が伝わる迫力ある表現で描かれた作品で、マリーアントワネットの「パンがないならケーキを食べればいい」という言葉から革命は始まったと言われる雑学と観たばかりの作品と鳩が、頭の中で混ざり合って化学反応を起こしたのだ。これは本当にどうでもいいことなのだが、好奇心があるから繋がっていった。点と点を結ぶことで発見が生まれて、なんでもないことが面白くなってくる。ひらめきとは感動したこと。ビビッと来た刺激によって新しい感じ方が生まれてくる。ユーモアのある発想で自分らしい感覚を磨いていこう!

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