いくさ

昨日、京都・清水寺で今年の世相を表す漢字に『戦(いくさ)』が選ばれたと発表された。その主な理由は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、北京冬季五輪やサッカーW杯カタール大会で熱戦が続いたことが挙げられている。なんとなく都合のいいように、強引に理屈をこじつけ感は否めないけど、ここ数年、コロナ感染症や自然災害、異常気象もあるから生きるための戦は、すべての人類が共有するテーマであることは間違いない。

ちなみにこのたびのサッカーW杯で私が注目している選手はクロアチアモドリッチ選手。日本代表に土を付けたにっくき敵ではあるが、6歳で国家紛争の泥沼に巻き込まれて、18歳まで避難生活を余儀なくさせられたことで、日々の生活の中で生きるための人間力は鍛えられ、いつも最善を尽くすことができたのだろう。私はそのいぶし銀のオーラを見ているうちに、同じバルカン半島で紛争を乗り越えたイビチャ・オシム氏のある言葉を思い出す。

『歴史的にあの地域の人間はアイデアを持ち合わせていないと生きていけない。目の前の困難にどう対処するのか、それが民衆の命題だ。もちろんそれは物を盗むとか、人を騙すとかそんなことではない。今日は生きた。でも明日になれば何が起こるか分からない。そんな場所では人々は問題解決のアイデアを持たなければならなくなるのは当然だ』。まさに戦とは何が具体的にイメージできる。今の日本は様々なことが重なって危機である。だけど、それをリバウンドさせれば、大きなチャンスに変わるはず。厳しい現実を真正面から受け止めて、みんなで生き抜いていきましょう!