教えを乞う

私が若い頃はネット検索で手軽に調べられないため、何かわからないことがあったら、それを知る人に聞くしかなかった。または手当たり次第に身近な友人知人に教えを乞うてみたり、その伝手を頼って情報収集するなど、人界戦術を展開して答えを探し出す。そうして運よく全容解明することもあれば、最小限度の答えで終わることもあった。

しかしながら、こういうことをし始めると、自然と心がワクワクしてくる。それはただ単純に知識欲が満たされるだけではなく、みんなで力を合わせて解決するような醍醐味があったからだ。例え米粒程度のことしかわからなくても、目標へ向かってチームになって力を結集することで、仲間意識が大いに芽生えて、人間関係を豊かにしていった。

これもそれもまだまだ知恵を持ち寄る文化が根底にあったからできたこと。どこかで力を合わせなければならない時代には、必然的に発生するコミュニケーションがある。不便不自由な環境だからこそ、お互いに支え合う共同体のために、横のつながりを伸ばすだけ。持ちつ持たれつで協力的であれば、知恵を楽しく絞り合うことができただろう。