たった一人で文化というものはつくられるものではない。たくさんの人たちの個性が交り合うことでつくられていく。誰かがユニークなことを考えたとしても、周りの人がそれを面白がってくれなければ、単発に終わって発展することはできない。だから文化はみんなで知恵や技能などを出し合う。自分の考えていることを周囲に発言し、みんなで共有できるように話し合う。ピンと来ていない人には誰かが教えて、そこにある価値観を共同化していく。つまり文化的な風土が広がることを目指し、仲間同士で様々なことを共に語り合い、ディスカッションしながら学び合うことが大切なのだ。
ちなみにこのたびのグループ展では参加者だけに限らず、ここで偶然出会った多種多様な人たちが、それぞれの美術への思いを語り合う場面をよく見かけられた。それはいつも美術の世界は変化していくから。これまでの持ち合わせたものだけでは厳しくなる。どうしたら良いのだろうか？新しい表現や今までと違う技法などへ挑戦するために、お互いの知識や経験を出し合い、心を励まし合うことで創作意欲が湧いてくる。みんな自分なりにいろいろと考えて、コミュニケーションしながら、何かの答えを探し出そうとしていた。この何度も生まれた熱気の渦の正体は「切磋琢磨」といい、別名は化学反応と言う。これからこのような現象が多々起きる空間でありたい。そのために私自身も多くの仲間と美術談義して、成長（変化）できるように努力あるのみだ。
■HEART2019の関連企画 県美界隈展 『花』、Y氏とともに 2020年2月13日（木）～3月1日（日） 11:00-18:00 火水定休
