直観力

先日まで開催した「やまぐち生まれの4人展」で、佐々木範子さんが講師を務めたワークショップに、同展出品者の吉田朱里さんは自ら率先して参加する。初心に戻って作品づくりに一から取り組む。わざわざ不慣れなことをして苦しみと向かい合う。ただただ上手くできるように精一杯頑張る。ワクワクと胸を躍らせながら手を動かしていく。
さすがに子供の頃から何かをつくりだしたら、好奇心のスイッチが入って止まらない。頭の中を空っぽにして、感性を羅針盤にしながら、赴くままに身を任せていった。とにかく、素敵な作品になりますようにと願ってやれば、どんな風に仕上がっても個性がある。今ここに自分らしさに基づいてすれば、独自性のあるワールドが生まれてくる。
美術家は美術のためだけに心を捧げていればいい。目の前の創作に魂がこもっていたら、観る人に何かが伝わっていくだろう。吉田さんは最初にひらめいたイメージを大切にしている。それは直感は面白いと感じることに反応するから。言い換えれば、本当に感覚に響くことしか創作できない。だからこそ、感性を鋭く磨くことに余念はない。