吉村芳生展

イメージ 1

本日から吉村芳生さんの作品展を開催いたします。

タイトル 色鉛筆で描く花の世界 吉村芳生
会  期 2007年5月11日(金)~20日(日) 11:00~19:00 (16日定休日)

なお、吉村さんの作品について山口県立美術館研究員・河野通考氏が書かれた
評論をの一部を転載いたします。

花、異界への入口として

私たちはどうしてこうも花に惹きつけれれるだろうか。
花を識らない私ですらも、ほころびはじめた梅の蕾に触れるたびに寒さをくぐり抜けた
生命のしなやかさに見とれ、満開の桜の下ではほとばしる生の愉悦にひきこまれる。
その色、その形が抗うことを許さない。身体に直に働きかけてきて、
皮膚に刻みこまれた記憶を解き、私という個体を越えた悠久の記憶とでもいう感触へと誘う。
それはまた一方で死のイメージとも結びついている。どうしてこうもはかなく散っていくのか。
艶やかさとその充益があまりに眩しいがゆに、かえって虚ろさを際だたせ死を予感させる。
生と死が交錯する。花ごときは、時に、ヒトに異界をのぞき見させる魔力を持つのだ。