夢と現

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夢がほんとでほんとが夢なら、 よからうな。
夢ぢやなんにも決まつてないから、よからうな。
 
ひるまの次は、夜だつてことも、私が王女でないつてことも、
お月さんは手では採れないつてことも、
百合の裡(なか)にははいれないつてことも、
時計の針は右へゆくつてことも、死んだ人たちやゐないつてことも。
 
ほんとになんにも決まつてないから、よからうな。
ときどきほんとを夢にみたなら、よからうな。
 
                            金子みすゞ「夢と現(うつつ)」
 
夢ばかり見ていたらいつか現実に打ちのめされる。
現実ばかり観ていたらいつか息苦しくなっていく。
 
だから夢を見ながらどこかで現実を見据えて生きて行く・・・
そんなに器用に生きている人なんてなかなかいないけどね。
 
「美術って、どうして必要ですか?」と尋ねられたら
「夢と現実の中に生きていくことができるのが人。
 夢を膨らまし、現実を柔らかくする美術は魔法のようなもの。
 きっと美術に限らず、その他にもいろいろあるけど、
 想像するとは破片と破片を繋ぎ合わせていく力。
 夢と現実が繋がったと感じる心を刺激できる世界だろう。
 
■夢とうつつ アート6人展
会期 2012年5月31日(木)~6月11日(月)
時間 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
定休日 6月6日(水)
出品者 シンボロン、安森信、尾崎眞吾、柴田滋紀、木原千春、手嶋大輔
※画像は柴田滋紀のパステル画