フィールド・オブ・ドリームス

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人生の節目となる瞬間は、自分でそれと分らない
 
                   映画「フィールド・オブ・ドリームス
 
昨日、夕方になって友人のSがいつものようにやってきた。微妙に陽に焼けている。
 
「それ、どうしたん?」と尋ねたら彼の出身校の野球部を応援してきたとのこと。
 
今週末から始まる夏の高校野球地区大会の直前に練習試合があったようだ。
 
どちらのチームも部員の数はギリギリ。レベルがどの程度なのかは想像できる。
 
しかし、Sから聴いた感想には、そんな偏見を覆す、熱いものがそこにはあった。
 
実は我が母校サッカー部のライバル校におられたK先生がSの出身校へ転勤。
 
サッカー部がなかったため、野球部の監督へなられたようだ。その采配ぶりは、
 
おぼつかないものであったようだが、いろんな場面で選手たちに意見を求め、
 
それをズボンのポケットの中に入っているノートに書いては勉強していたそうだ。
 
不慣れな野球。サッカーに比べてルールも作戦も複雑。そんな厳しい環境の中で
 
一から謙虚な気持ちで取り組んでいる。それは預けられた大切な選手のためだ。
 
うまい選手が集まる強豪校は勝利して甲子園へ進むことが使命だろう。
 
しかし、そうでない普通の高校。しかもケガ人が出れば棄権すらあり得る高校。
 
大きな夢なんて持つことは難しい。たった1試合にどれほどやれるのかが目標だ。
 
だけど、甲子園出場と同じくらい素晴らしいものがそこにはあるのだ。
 
それは高校野球の原点、野球の好きな若人が純粋に集まっていることだ。
 
勝つことに執着し過ぎて、見失ってしまうのは何なのかを彼らは教えてくれる。
 
高校球児とは元気で好きな野球に青春を燃やしている若人たちのことだ。
 
競争社会になった現代では、いつの間にやら蓋をされて見えなくなっている。
 
試合後、両チームの選手全員でグランドを整備。人出が足りずに監督も参加。
 
どこにでもある普通の放課後のクラブ活動をあらためて経験されている。
 
K先生が再びサッカーの指導者に戻って来られたら手強くなることを覚悟しよう。
 
いい話をありがとうS!高校野球の存在と意義を再認識できたことに感謝します。