今は、ひとりの人間として応援してくれている。
そういうことが、よくわかるようになった。
先月、総体予選準決勝で母校サッカー部は激戦の末のPKで敗退した。
試合後、応援席に挨拶へ来た選手たちへ「頑張れ」と掛ける言葉しかなかった。
この状況では、それ以外の言葉では伝わりづらい。未来を信じていうだけだ。
ゆっくりとベンチへ戻って行く選手たち。ずっと目で追いながらピッチも眺めた。
さっきまで騒然としていたのに今は静まり返っている。どこか寂しく感じ始めた。
そんな時、相手校の応援団が会場から出るために目の前を横切ってきた。
どこか遠慮気味なところが高校生だなあ。そこで、
「明日勝って、全国へ行けよ!」と声をかけたらちょっと驚いた表情を見せたが、
体育会系特有の挨拶で応えてくれた。なんだかんだ言っても同じ県内の高校同士。
また、自分も勝った時にはエールをもらっているからここは送る番だと思った。
ただし、次は負けない気持ちを込めて送ったエール。戦いは続いていく。
だから真摯な態度で応援していこう。