クールな甥っ子

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昨年のアテネ五輪で体操男子団体が28年ぶりに金メダルが懸かった鉄棒で最後に演技をした富田選手のフィニッシュの時に「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ! 」と実況したNHKのKアナウンサーは素晴らしかった。歴史に残る緊迫した場面の臨場感を崩さず、感動を増幅させる言葉にはスポーツアナウンサーが持つ役割の大きさを感じさせられた。
ところで甥っ子と母校のサッカーを見に行った時のこと。
ゴール前の多々良のチャンスから右にドリブルで切れ込んだ選手に相手DFたちは慌てて追いかけて、がら空きになったゴール前にうまくセンタリングを上げてきた。その時にGKと1対1になった選手がわざわざヘディングで折り返して、無人のゴール前にいるここ数試合ゴールが決まらず苦しんでいるFWの選手へ粋なパスをしてゴールを演出した。
「おおー、素晴らしい!!友情の懸け橋が創ったゴールデンゴール!!」
と、チームワークの良さに感激して叫んだが、
「おじさん。今のゴールは右サイドに切り込んだ選手がDFをあれだけ動かした時点で勝負があって、ゴール前のヘディングでのラストパスは安全でより確実なゴールを選択しただけだよ」と、日頃から母校を見続けているせいか過剰にドラマを感じていた空想おやじに現代っ子はクールに解説してくれました。

(画像は2004年4月)