アントラーズ岩政選手の原点

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今年の1月、甥っ子が「これプレゼント」とJリーグ鹿島アントラーズの地元岩国高校出身の岩政選手のサインをくれた。「おおー、どうしたの?」と思わず聞けば、甥っ子が所属するサッカークラブに縁故でやって来て、みんなにサインしてもらったおこぼれだという。「すまんな~」と、お礼を言いながら受け取ったサインを見て、岩政選手が高2の時に母校と対決した時の姿が目に浮かんできた。
その試合は高校選手権県大会決勝戦。岩国高には3年生に元湘南ベルマーレの西本選手がチームを引っ張って前半は1-1と同点で折り返したが、後半は自力に勝る多々良が3点を挙げ、大きくリードしたままロスタイムに突入する。ここで多々良DFの村田君から縦へ放り込んだパスにうまく反応したFW原田君がそのままドリブルで持ち込み、飛び出してきたGKをてうまくフェイントをかけてかわして無人のゴールに向かって緩いシュートを放った。誰もが決まったと思った時、へとへとになって動けなくなっていた岩国の選手たちの中で、センターエリア辺りから全力疾走でボールを追っかけていき、クリアしたのが岩政選手で最後の最後までゲームを捨てない、そのひたむきな姿勢は感動的だった。
岩政選手はその後3年で国体選手に選ばれたもののケガで出場できず、進学した東京学芸大学へ行ってから花が咲き、4年生の時にはユニバーシアード(大学の世界大会)日本代表の主将として出場し、優勝に導く決勝での同点ゴールを決める大活躍をして、遂にはJリーグアントラーズに入りを果たしました。それは無名の高校生が大学で成長してプロにいくという極めて厳しい条件からJリーグ入りで、ロスタイムにあきらめなかった一瞬のプレーに原点を感じています。

(画像は2005年4月 多々良ー岩国戦)