光陰矢のごとし

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子供の頃、国語の時間に習った井伏鱒二の短編小説『山椒魚 』。谷川の岩屋でぼんやりと過ごしている内に、頭が大きく成長して出られなくなった山椒魚のお話し。いくつかのエピソードを織り交ぜて、その複雑な心模様を豊かな文章で描写されている。孤独さを感じることで他者との関わり方に気付かされて、読者に自分の境遇と山椒魚に重ねて自由な感想を想像させられる名作だ。先日、あらためて読んで唸ってしまった。山椒魚が岩屋から出られない時に「俺にも相当の考えがあるんだ」と強がるも、何ひとつ良い考えは浮かばないのは、よくある心理だと納得する。みんないろんなことに縛られ、袋小路に陥って悩んで苦しんでいる。自分にはないものを嘆いて、それに憧れるためなのかもしれない。だけど十人十色。人の数だけ個性はあって、幸せという答えは違っている。素晴らしいと感じるものは、その人の中にあるものだ。時間はもの凄い早さで過ぎ去っていく。だから価値観をしっかりと見つめて、1日を有効に使う意識を持って頑張っていこう!

■はやしいくみ個展 キイロトリドリ ■同時開催 イロドリ4人展 佐藤淳美、高松安奈、やまさきゆうり、吉原佐保 会期 2016年5月5日(木・祝)~8日(日) 11:00-19:00(最終日は18:00まで)