昨日、岡本よしろう君がやって来た。こちらでの仕事が終わり、近日中に出発するとのこと。相変わらず義理堅い。この後に予定があるようなので、長く会話はできそうもなかったが、ここ最近、私がこだわっていることについて質問する。それは「30代前半に何か目標がありましたか?」。彼曰く、「全く何もなかった」。そして、「今も何にもないまま」と実直に語ってくれた。う~ん、これでは答えにはならない。そこで絵本の仕事について質問すると話しは展開していく。30代は絵本の仕事をもらうために、いろんな出版社に売り込みに行って、そのたびに編集者の人たちの厳しい評価にコテンパンに打ちのめされた。「この表現力でお前は何様のつもりだ」。プロのハードルの高さを身を持って教えられ、自分の実力のなさを思い知らされる。この経験のおかげで目覚めて努力していった。自分をギリギリに追い込める動機と出会って、美術を仕事にしていくことの覚悟が変わったのだ。甘かった自分を捨てて、成長することができたのだ。貴重な話をありがとう!良い勉強になりました。ここに集まる若者に伝えて、このエールを金言にしたいと思います。