寛容さ

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美術というのはめちゃくちゃ寛容さがある社会だ。子どもの作品のように、表現手段が技術的に未熟であっても、骨格となる発想や観点が感じられて、その人らしさが伝わったらいい。そもそも美術には絶対的な明確な答えがない。だからある程度の許容範囲であれば、こんな美術もあるのだと受け入れるべきだ。自分自身の好き嫌いの嗜好を控除して、美術の世界の広さを知ろうとしないと、未来に発展する可能性を閉ざしてしまう。その瞬間は良いかもしれないけれど、変化していく社会の中でいつか駄目になっていく。つまり寛容さがない美術家は、上手くいかないと意味がないとか、価値がないとか考えて、結果、流行っている美術の後ろ姿ばかり追っかけて、ついには自分らしい豊かな個性を埋没させる。美術家とは意味のない、理由のないことに挑戦するからこそ価値がある。一般の人にしたら何が楽しくて社会からはみ出す危険を冒し、それでも夢を持ってやり続けるのかが理解できないだろう。白黒を付けるのなら入り口でアウトと言われかねない。美術は寛容な世界。その意味をはき違えずに曖昧ではなく、コンセプトがクリアになるように、日々、創作に燃えて進んでいきましょう!

■め ぐ る h a n ... 櫛部 華代 個展 2018年4月5日(木)~10日(火) 11:00-19:00(最終日は18:00まで)