温故知新

イメージ 1

一昨日、県立美術館で始まった「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」の開会式に参加。その後、担当学芸員の解説を聴きながら展覧会を鑑賞する。本当にタイトルの如く、驚異の超絶技巧の作品ばかり。今のように映像や理論で教えてもらえることはなく、その技術は見よう見まねで覚えるしかない時代。当時の制作過程を想像してみると、人の目や感覚の鋭さを思い知らされる。また、西洋美術が伝わってきたばかりなのに、デッサン力や色彩構成のレベルの高さに驚かされる。元来、日本人の固有のセンスは決して異国のものに劣らない。これはひいき目の感想ではなく、歴史のある国の成熟さなのだ。そのことが立証されていると思った。

そして、明治の頃、職人から生まれた文化は既にアートと言うべきものなのかも。見慣れた世界にあるものを追求し、自然界に存在しないものにしていく。本物と同じように創作するには、見た目よりも本物と同じ魅力が必要だ。馬鹿馬鹿しくなるくらい見続けて、造形的に一番美しい輝きを表現する。初めはフィットしない違和感があっても、だんだんと心惹かれる世界になってしまう。それは機械ではつくることができない、人の持つ温かみがベースにあるためだ。リアリティのあるものに近づけながら、視覚を鮮やかに刺激していくのは、やはり人が喜ぶデザインになっているからでしょう。温故知新!いつの時代になっても美術に関わるものにとって、観察力こそ大切なのだと教えていただいた。

■驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ 2018年9月7日(金)~10月21日(日) 9:00-17:00(入館は閉館30分前) 休館日 9月10日(月)、10月15日(月) 観覧料 一般1300(1100)円、シニア・学生1100(900)円 ※シニアは70歳以上の方。( )内は前売・20名以上の団体料金。18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校は無料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1 http://www.yma-web.jp/