推理力

イメージ 1

子供の頃、たまたま図書室で借りた1冊の本が推理小説。読んでみると期待以上に面白かったので、しばらくハマってしまったことがある。それは好奇心をくすぐられる描写の文章にワクワクさせられ、いろいろなことを想像することが楽しかったからだ。また、もう1つの大きな理由があった。大好きなプロ野球がオフシーズンになって、燃えるものがなくなって困っていた。そんな時に偶然にも出会ったのだ。冬の寒い日、こたつに入って読んでは空想にふけて、人間模様がなんとなくわかったような気になった。

そして、この経験は大好きなプロ野球の観戦にも大きな影響を与える。投手やバッターの心理、ベンチワーク(作戦)などを、あれこれ勝手に考えるようになってきた。こうだよなあ~、ああだようねとか、いろんな角度から考える力を養うことができるようになったのだ。「何も咲かない寒い日は、 下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く」という格言のように、夢中になるものがない時に、何かに違うことに夢中になることで、フィールドを広げていった。

さらに今現在では美術作品を鑑賞した時に大いに役立っている。微妙に角度を動かして見つめながら、その人にしかないものを想像していく。自分なりに深く味わえるポイントを発見して楽しむ。推理力という世界を知ったおかげで、一歩引いたところから作品を観察できるのだろう。作品は同じでもいろいろに観ていいから美術は面白いのだ。ひとりひとりが自分にあった鑑賞方法を見つけて楽しもう!