空想力

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山口市菜香亭とは140年前に建てられた料亭を移築し、2004年より市民交流の場として開館した文化施設のこと。今ここでは山口現代芸術研究所(YICA)の設立20周年記念展が開催中畳のやさしい香りがぷんぷんと漂い、立派な文字のへん額に囲まれ、伊藤博文をはじめ、多くの著名人が訪れた歴史がある場所で、美術家の精鋭たちによって行われている現代アートの作品展。非日常の世界にトリップさせてくれた。

その中で、びびっと来たのは鈴木啓二朗君の作品。シンプルな2つの手形なのだが、1つは2年前で、もう1つはつい最近のものだという。人間の手形は変化するというから時の流れを表現したのか、はたまた誰もが持つ独自の版画表現をしたのか、本人にコンセプトを聴いていないので、本当のところはよくわからない。ただ、この空間にピッタリと調和して、まったく違和感を感じさせない。作品の上にあるへん額の文字は「魚躍(うおおどる)」。政治家・三浦梧楼が書いたもので、「活きのいい魚が躍っている」という意味だ。この解説文を読んだら手形が魚に見えて、なんだか魚拓のように感じ始めた。ほんの少し視点を変えただけで実に面白くなってくる。どうかお近くへ行かれる方は、ぜひ創造の旅をお楽しみください。

■山口アート・アーカイヴ [YAA] 2018 アーカイヴ 2018年9月12日(水)~17日(月・祝)10:00-17:00 シンポジウム 9月16日(日)17:30-20:00 会場 山口市菜香亭 山口市天花1-2-7 山口現代芸術研究所 http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~okutsu/YICA/Home.html