運が縁を結ぶ

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21年前、突然に舞い込んで来たお願い事。その内容は丸投げの上に無茶ぶりでもあった。正直、すぐにお断りしようとしていたところ、紹介された施設の方とお会いして考え直す。なんとかして上げたいのに、どうにもできないまま、切羽詰まっている表情だった。これは一緒になってやっていくしかない。そう決意してから親しい美術家に趣旨を説明し、ボランティアで協力してもらえることになる。その後、スタートしてからはメキメキと成果が上がってくる。やはり必死さがあるから伸び具合も早い。このまま順風満帆と思っていたら、諸事情で風向きが大きく変わって、呆気なく終わってしまう。これは仕方がない。残念だけど運がなかった。それが答えなのだろう。

それからしばらく年月が経ったある日、思いも寄らぬ形から再び同じような取り組みが始まった。キーパーソンになる方が移られた施設の協力と、いくつかの偶然がたび重なって、手応えのある成果が生まれる風土になってきた。未来への種を蒔いたからって、すぐに芽が出ることはない。例えどんなにいい種であっても、適した時期にと土壌に蒔かなければ、土の中で静かに埋もれたままで、発芽することはないだろう。そんなことを肌で感じながら学ばせてもらった。運が縁を結び、縁が新しい運を結ぶ。まだ夢の途中!ゴールはもっと先にある。これからも自分たちのできることをして、素敵な縁と結びあって、創作の可能性を切り拓きたいと思う。

■今本 由実 個展 からふるなせかい 出品協力 てご屋工芸班 2018年10月25日(木)~30日(火) 11:00-19:00(最終日は17:00まで)