ここのところ、美術家志望の若い世代の来店者数が減っている。その理由はいくつか思う浮かぶが、一番の理由はSNSなどを通じて、手軽に作品を観られるからだろう。発達した情報システムおかげで、なんとなく知ったような気分になる。そして、「この作品なんて自分の美術に関係ない」と思ってしまうのかもしれない。たしかにすべてが身になるとは言わないが、やはり他の人の作品を観ることは、自分の創作に良い影響を与えてくれる。
それは当たり前のことだが、どんな美術展や作品展に行っても、自分とは違う個性と出会えるチャンスだ。それらの作品と触れ合うことで、想像の好奇心は刺激されていく。自分になかった感覚を知って、新しい創作へのヒントにしてみよう。礼儀をわきまえて行動すれば、分野や年齢の壁は気にしなくていい。そこで得た経験はこれまでになかった、新たな視点や発想を生み出す基になる。つまり実際に触れていないネットを介した知識よりも、体験によって得られた知識の質は比べものにならない。未来は今の積み重ねで成り立っている。実際に観ることで得たものが創作のエネルギーになるのだ。どんな時代になっても「百聞は一見しかず」。この黄金律を守って活動していこう!