昭和という時代は社会に不整備な面が多くて、裏を返して言えば、どこからでも千載一遇のチャンスがあった。まったく理にかなっていなくても、偶然が重なって幻想が正夢になったこともある。いわゆる一生懸命に頑張ったらなんとかなると信じられていた。それはそれで決して悪くないこと。むしろ清々しい健全さを感じる。なぜなら人生なんてハッキリとした答えがない。過去の誰かの答えを引用しても意味がない。どこまでも愚直に自分らしく生きる。個性を活かした絶対的な価値観を目指すのだ。これこそが時を越えても生きる道標なのかもしれない。
ところでもうじき平成時代は終わろうとしている。私はこの時代に生きる若者たちに昭和の長所と短所を語っている。まあ、どんな時代になっても未来は漠然としたもの。そこへ向かって歩んでいくためには、過去のことを学んでヒントにするしかない。ポイントは成功は偶然だが、失敗は必然に起こるもの。勝つための手段は永遠の宿題だが、負けた結果の原因はハッキリとしているのだ。