徒花

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美術家になるには幼少の頃から一直線に美術を学び、かつ、それなりに文化のある生活環境が恵まれたら、30代まではなんとかいけるかもしれないが、人生最大の難所、不惑の40歳を越えることは厳しいだろう。いくら潜在的な素質があると言っても、そのままの実力でその人の日常の個性だけで、美術家になれるほど甘く安易なものではない。

つまり創作は日常の中にあると思わせておいて、よくよく見つめると現実の世界からは少し浮揚している。根拠のない思い込みによって、思いがけなく出来上がった作品を、いつまでも熱が冷めないように、才能を信じられるルーティンを発見しよう。どんな素晴らしい素材であっても、どうやって美しく磨けるのかが大切。それはいくつもの出会いによって生まれ、たった1人ではそうなることはできない。美術家はこの現実を真摯に受けとめていこう。

これから先、ずっと未来になっても、その時代に流行ったものやわかりやすいものばかりを追い、自分の個性にない世界を自分のものだと勘違いするのはやめよう。外見は華やかでも実質を伴わないものでは評価が高まらない。自分にしかできない個性を追求して、独自の価値観を表現していきましょう!例え今はレベルに達しなくても、情熱を燃やし続ければ、意外となんとかなるもの。人の才能はほっといたら楽な方へ向かいやすい。愚直に余計なことを考えずに、ただひたすら美術へ向かうものに、幸運の女神は微笑むことだろう。