創意工夫

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私が若かった頃の美術家と言ったら、反体制や反社会的な気質があって、檻から抜け出していったような、規格外の野性味のある人が目立っていた。それは今から思えば社会がしっかりしていたからアンチが成立っていた。いわゆる本流が安定していることで、ただ批判的な言動や主張にならなかった。自分たちに信じられる価値観を振りかざして、自由に意思表示して反対することができたのだ。そうなのだ、良くも悪くも安定したものが存在していた時代。もしかしたら「昔の方が良かった」と言われるのはこのことかもしれない。それなりに理屈に合う、風通しの良い社会だったのだろう。
それから時代は流れ流れて、新しい元号が生まれる直前になった。頭の中に教養と言われる多様性に耐えれる資質がなくても、その場を切り抜けるだけなら携帯用端末でネットで調べたらクリアできる。そうやってわかりやすさと引き換えに難解なものを考えなくなった。「正解」を得られることに比重を置きすぎて、プロセスを省略することになれてしまい、いつの間にか大切ものが麻痺するようになった。挑戦しての失敗は失敗ではない。自分の頭で精一杯考えての間違いは間違いではない。このことを教えない社会に問題を感じる。人生は試行錯誤の繰り返し。創意工夫の繰り返し。答えというのは自分で決めていくもの。多数派が正義である訳ではない。われ思う故にわれあり!とにかく自分の価値観を大切にしよう!ただし独りよがりにはならないように。いつも可能性を求めて取り組んでいきましょう!
■麗しきかな 美しきかな 目出度きかな 吉祥展 紀田秀夫 佐伯千尋 原田千恵子 舛井美佐江 村上真実 大和佳太 2018年12月14日(金)~2019年1月14日(月・祝) 定休日 1月9日(水) 【同時開催】 やまぐち赤絵 ハレのうつわ 広川隆作陶展