汝自身を知れ

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公募展に挑戦して落選するということは、軽く風邪をひいたようなものだ。決して、その人の創作や人生観を否定されたわけじゃない。けれど、近年は美術を取り巻く環境が大きく変化し、漠然とした不安を抱えている人にとってはショックになるかも。中には明後日の方向ばかりを見ていて、現実がどうでもいい人だったら何の問題もない。しかし、落選というアンラッキーで風邪をひいたことで、かえって免疫力が強くなることを自覚しよう。所詮、美術の世界なんて合理的ではないし、理不尽だと感じることに多々直面する。だから落選を恐れることなんて全くない。むしろ挑戦しないことを恐れるべきと自覚しよう!
ここで話は少し脇道にそれるが、今の時代はSNSのおかげで、美術の才能が未熟であっても仲間ができる。それは悪いことではない。趣味でやる人にとっては快適な状況になったと言える。だけど、プロになりたい人にとっては、そのような単純な評価を指針にして、創作活動に役立てることはできない。つまり慰めてくれるあたたかい仲間には溺れやすい。なぜこうなったのかを探り、自分自身の未熟さをとことん自覚する。そう、なんとなくにしないで未熟さを受け入れ、伸びしろがあることに気が付いていくことで、成長への出発点に立つことができるのだ!公募展では入選したら素直に大いに喜んで、落選したらそれを糧にして創意工夫する。どっちに転んでも丸儲け!県美展はこれらの条件を満たす最適な公募展。結果がどちらになっても、創作への意識が高まったら、未来への展望が開けていけるはず。そして、美術家としての実感を知ることができるだろう。
■第72回山口県美術展覧会 2019年2月14日(木)~3月3日(日)9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館 月曜日 観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/