イタリアの春団治

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約35年前に流行った歌謡曲「浪速の恋しぐれ」。当時、私はギリギリ未成年。この曲がテレビの番組から流れてきても、「演歌の世界だよね」としか感じられず、異国の歌のようにリアリティーがなかった。まだまだ人生を深く考えられない若者というのか、それはそれで普通の生き方をしていたように思う。人生がジクザグしているなんて、世の中の基本的な構造すら知らない、まだまだ中2病を治癒できずに患ったまま生きていた。今から考えるとあの頃にあった自信の根拠がわからない。なぜ、あんなに自分はできると肯定できたのかは謎である。知らぬが仏で知らないから仏のように平静でいられた。無知だからこそ大胆で、無知だからこそ若者だったのだ。
ちなみにこの歌を思い出したのはロベルトさんの個展の最中。約2年前、彼は地域協力隊の奥様とともにイタリアから移住してきて、ほとんど日本語ができないため、何かあったら奥様がバックアップしている。これまでケガや病気で入院した際も献身的に支えて、本当に夫唱婦随の素晴らしいコンビ。時々、ささいなこのすれ違いもあるが、それはすぐにリセットされて仲直り。喜怒哀楽があって人情味が溢れる昭和時代の夫婦だ。まさに「そばに私がついてなければ、何も出来ないこの人やから、泣きはしません、辛くとも、いつか中座の華になる、惚れた男の惚れた男のでっかい夢がある」という歌詞の通りだ。そして、ついに念願叶って県美展で大賞受賞。でっかい夢を掴んだ。これも彼女のポジティブな関西弁のおかげ。どうかこれからも大きな夢を目指して、イタリアの春団治が奮闘記を支え続けてください。幸運を心より祈ってます。Avanti
■第72回山口県美術展覧会 2019年2月14日(木)~3月3日(日)9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館 月曜日 観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/