スペシャリスト

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尊敬すべき美術界の大先輩。私が高校生の時に初めてお会いする。さすがにこの頃のやり取りは全く覚えてはいない。だけど、優しい眼差しで温かい言葉を掛けてもらったのは確か。そう、若輩者にも真摯な態度で接してくれた。ちなみに当時は美術家が同士が集まると、雌雄を決するくらい激しい議論になるのは日常茶飯事。このような戦国時代に素敵な形容詞を使いながら、どんな時も飄々としている姿がカッコ良かった。いつも自然体で力むことなく、等身大のまま立っているのだ。その達観している姿勢は素晴らしい。美術の世界で生きるとは何かを背中を見てるだけで教えてもらえた。
昨日、そんな大先輩と偶然出会った。そこで自称プロの写真家が横行することに疑問を感じていたので「プロの写真家と如何なるものですか?」と尋ねてみた。するといつものように穏やかな口調で答えてもらえた。「文筆家と言われる人は、ただ文章を書くのではない。自分が伝えたいことがある。それを書き綴って読者の想像力を掻き立てるのだ。写真は被写体を撮るだけなら写真を撮るだけの人で終わる。近年、カメラの性能がよくなったため、これまで以上にモチーフに対するメッセージや画像を使ってしかできない表現を見つけること。誰でもが美しい画像を撮れる時代は、より深いバックグランドを感じさせることだろう」と、わかりやすく丁寧に語って下さった。ありがとうございます。とても勉強になりました。5月の展覧会でさらに学びます。
■下瀬信雄展 2019年5月23日(木)~7月7日(日) 9:00-17:00(入館は閉館30分前まで) 休館 月曜日(ただし6月3日(月)、7月1日(月)は開館) 観覧料 一般1200円(1000円)、シニア・学生1000円(800円) ※シニアは70歳以上の方。( )内は前売・20名以上の団体料金。18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1 http://www.yma-web.jp/