グローバル

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昭和と平成の美術の違いについて、私なりに3つほど挙げるとしたら、以下のようなことになると思う。まず第1は平成になった頃はバブル景気のおかげで、当時最先端の海外の美術作品展が次々に行われていった。この現象を例えるとしたらいきなり黒船がやってきて、鎖国(内向き)状態だった表現の世界に自由をもたらしてくれた。今現在もまだまだ不十分ではあるけど、ガチガチだった昭和の時代に比べたら柔らかさを感じている。
その次の第2は美術作品の格付け(評価)がほぼ国内だけの社会から国際化されていった。いわゆる日本での賞とは殿様などの権力者によるお墨付きのこと。ややもすれば縁故関係で忖度されやすいもの。それが様々な物差しによって作品を評価されるようになったのだ。そして、第3は女性の美術界への進出。平成の終わりでも東大に在籍する学生の男女比は8:2なのに対し、美術大学においては平成が進むにつれて女子学生の割合が多くなっている。もしかしたらこれほど女性に対して開かれた門戸はない。日本の大学の中で一番早く世界基準に到達した社会ないのかもしれない。もう間もなく訪れる令和の時代。伝統工芸に従事する者以外は国内の格付けだけでは厳しくなる。だからと言って海外のマイナーなステージの評価ではないに等しい。それよりも何よりも自分で自分の価値を見い出すこと。多くの情報が手に入る時代なのだからこそ、その分析を自分なりにできる人が活躍できる社会になっていく。美術家にとってはやりがいのある時代になっていくだろう。
■稲田絵美 個展 いつの時代も 2019年4月28日(日)~5月5日(日) 11:00-19:00 定休5月1日(水)