直観力

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「溺れる者はわらをも掴む」ということわざがある。これは非常に困ったことに直面した時に、実際には何の頼りにならないものにすがって、その状況から助かろうとしていることだ。それが例え迷信だろうとインチキだろうと手当たり次第にやってみる。「とりあえずやってみよう」、「やってみないと分からない」など、後先考えないで行動で活路を見い出そうとすることだ。
今の時代、困った時はネットで解決方法を検索すれば、ある程度のことなら答えに近いものが得られる。それですべて上手くいくことはないが、ピンチを脱出するための糸口にはなるだろう。ただし、自分の中に備わっている動物的な感覚、野生の直感を眠らせてしまうことになる。溺れる者が掴むわらとは、ヒューマンパワーから導かれた最善の選択肢。ほんの小さな破片を羅針盤にして、目的地(理想)への方向性を感性によって決めていく。つまり美術家になりたい人は勘が良くなければならない。そして、予感だけを信じて進む大胆さが新しい創造を発見させるのだ。知識が増えれば常識的になって、ただ普通の表現にしかならない。自分らしい個性を活かすには、知識よりも感覚を鋭くすること。どこまでも美術家になるという、馬鹿みたいな志を愚直に信じていこう。愛する美術へ情熱を燃やし続けて、ピカピカに感性を磨いていきましょう!
■稲田絵美 個展 いつの時代も 2019年4月28日(日)~5月5日(日) 11:00-19:00 定休5月1日(水)