リスタート


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元号が平成時代になった頃、日本列島はバブル景気だった。巷には今では信じ難い華やかなエピソードが溢れ、ほとんどの人が明るく生きるために、背伸びをしてカッコよく振る舞っていた。その姿はまるで江戸っ子そのもの。宵越しの金は持たない文化が蔓延って、思いっきり人生のアクセルを踏み込んでいた。もしかしたら昭和という厳格な重しがなくなって、パンドラの箱が勢いよく開いてしまい、「自由」という甘い言葉の毒に酔わされ、「良識」という平衡感覚が麻痺していたのかも。いずれにしてもみんなで無理してお金を使いあうからこそ、たくさんのお金が世の中に回っていた時代。無駄を出さない社会から使い捨ての消費社会へのギアが切り替わったのだろう。
そんな平成初期にあったバブルは消え去って、じわじわと右肩下がりの空気が漂う社会になってきた。おそらくバブルの正体とは昭和の経済や文化などが成熟したことを指す。世界のトップレベルに君臨できたことの象徴なのだ。そこからは「驕る平家は久しからず」。日本人の持つ素晴らしい長所を忘れて、資源のある国の人と同じ感覚になって、贅沢な生活できると勘違いしてしまった。つまり食用自給率が4割も満たない上に、石油石炭などの資源を輸入に頼るしかないのに、いつの間にか身の丈がわかなくなり、中2病が発症した人のように自分が見えなくなったのだ。なんてもったないこと。この国の人たちが持っている能力はめちゃくちゃ素晴らしい!あの敗戦から立ち上がった精神力はこの国の誇れる文化だ!まもなく令和の時代がやってくる。気持ちをリセットするチャンスがやってくる。さあ、やろう!私たちには弱くない。新しい時代にふさわしい志を持って努力していきましょう!
■稲田絵美 個展 いつの時代も 2019年4月28日(日)~5月5日(日) 11:00-19:00 定休5月1日(水)