五感

イメージ 1

昨日の午前中、時々お越しになるご年配のご婦人とお嬢様親子。いつもように作品をじっくりと味わっていかれた。作者の表現力や伝えたいことなど、いろんな角度から感じたことを素直に語って、心ゆくまで展示作品の世界観を楽しまれた。さすが常日頃からあらゆる文化に勤しみ、自分らしく触れられる度量の大きさがある。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚という豊かな五感に脱帽させられた。
そんなお二人の姿を見ていたら如何に日常の中で心で触れるものが大事なのかがわかる。この時代、ついついどうでもいいようなスキャンダラスに引き込まれ、今すぐに自分自身がやるべきことを忘れて、人生で一番大切な時間という資源を浪費しやすい。「他人の不幸は蜜の味」という格言ではないが、他者の不幸は努力しない自分の喜びにつながり、薄っぺらのくだらない幸福感が生まれ、本当の自分らしい喜びを見失ってしまう。だからこそ兎にも角にも自分らしい唯一の個性を信じること。世間一般の価値観に迎合することはない。こつこつと小さな幸せを拾い集めて、自分の中に核となるものが育んでいこう。「豊かさ」とはどんな時も柔軟に本質を受け入れる能力。つまり平常と変わらぬ心を持ち続けて、現世を歩んでいくために必要な力なのだ。素晴らしい鑑に出会うと心が磨かれて錆が落ちる。この一瞬の学びを見逃さずに成長への糧にしよう!
■岸 透子 水彩画展 VOICESl 2019年5月31日(金)~6月16日(日) 11:00-19:00