さじ加減

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スマフォネイティブという言葉がある。これは2007年に発売されたスマートフォンが普及している環境で生まれ育った世代のことを指す。当初は若い世代を中心に愛好しているイメージがあったが、今や老若男女を問わず誰でもが手軽に使っている。とにかく様々なサービスを瞬時に利用できる便利な携帯型信機器。もうこれがなくなったら生きていけないくらい、ヘビーに依存している人も見かけたことがある。それくらい私たちの生活に大きな影響を及ぼしている。これからの時代は、さらに身近なものになっていくだろう。
私個人の意見としてスマフォによるメリットを語れば、その昔に観たことがある展覧会や作品を、どんな場所からでも簡単に調べられるため、美術談義する際のストレスが軽減されること。曖昧になっている記憶を整理できるし、初めて知る人には画像によって具体的なイメージを提供できる。会話の質を高めて、ノリをよくして、楽しくできるスーパーツール。反対にデメリットを語るとしたら、いつでもすぐに必要なものが調べられるため、頭の中にインプットする機能が弱くなった。そう、何かを目に焼き付けるなどに使う細胞を眠らせて、何かを発見した時の集中力や観察力を低下させ、人の持つ素晴らしい感性が鈍化してしまった。つまり薬になることあれば、毒になることもあるのがスマフォの正体だ。自動車の運転と同じで使う人の礼儀や作法、法令遵守などの適切さが求められてくる。鬼に金棒になるのか、百鬼夜行になるのかはその人次第。みんなが楽しくなるように、しなやかに使っていこう!
■岸 透子 水彩画展 VOICESl 2019年5月31日(金)~6月16日(日) 11:00-19:00