トラ・トラ・トラの奇襲作戦

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一昨日の21日(日)のヤクルト戦は中2日の安藤が登板して、前回の3回4失点でKOの汚名を返上する5回を無得点に好投で阪神を勝利に導いたが、これまで正攻法の戦い方をしていた岡田監督の奇襲作戦には驚かされました。
ただ、この動きは岡田監督の進歩として歓迎すべきことで、ましてやこれからの終盤戦には1勝を奪うためのスクランブルの登板など、なんでもありの状況になるからです。
ところで恐縮ですが、またもや1985年の話。
10月9日、マジックを7で迎えた甲子園でのヤクルト戦はゲイルが先発して序盤から得点を重ねた阪神は6回を終わって8-2でリードしていました。しかし、6回から登板した池田が四球を連発してピンチを作り、慌てて登板した福間も打たれて雪崩現象が起こり、最後は中西も打たれて9-8の薄氷の勝利になり、「結果として勝ったけど、心境は複雑ですわ」という吉田監督の言葉が物語る内容ながらマジックを6に減らしました。

ヤクルト 001 010 420 |8
阪 神  220 040 10×|9

続く10日のヤクルト戦。この日の先発投手にファンも選手も驚かされます。それは昨夜自滅して楽勝にムードに水をさした戦犯で、さらに4連投目になる池田だったからです。交代を告げてマウンに行った吉田監督に「明日いくからな」と言われた池田はその言葉に意気を感じて好投し、「みんなに助けられました」の池田が試合後語ったようにセンター北村が大飛球を忍者のようにフェンスに登って捕球するなどのバックの攻守で盛り上げて、終わってみればこの年初完封というピッチングをしてマジックを5にします。

ヤクルト 000 000 000 |0
阪 神  003 000 04×|7

そして、奇襲はこれだけでは終わらずに移動日のために中1日置いて行われた12日の広島戦には、ここまで中継ぎで活躍した福間登板。これは今でいうと藤川が先発したようなものだから奇襲の中の奇襲と言える絶品モノで、この吉田監督の起用に福間は5回3失点と責任を果たして降板し、7回表にバースが大野からバックスクリーンに打った決勝本塁打で勝ち、マジックを3とゴールがはっきりと見えてくる大事な勝利を挙げました。

阪 神 010 102 100|5
広 島 100 021 000|4

ちなみにこの年の吉田監督の口癖が「全員一丸となった野球」で、もしかしたら岡田野球の原点なのかもしれません。

(画像は1985年リーグ優勝を決めた時に胴上げされた岡田監督です)